9月定例会の一般質問(後編)
- かおり 大石
- 10月10日
- 読了時間: 3分
更新日:10月11日
観光と地域の調和を目指して
〜オーバーツーリズムと花火大会の課題〜
コロナ禍を経て、鎌倉には再び多くの観光客が訪れるようになり、2024年の観光客数は約1,594万人と前年比約130%の増加を記録しました。
にぎわいの回復は喜ばしい一方で、観光の集中による「オーバーツーリズム」の課題も浮き彫りになっています。
今回の一般質問では、「鎌倉花火大会の今後のあり方」と「観光の分散化に向けた対策」について取り上げました。
🌟 鎌倉花火大会の持続可能な開催に向けて
■ 現状の課題
2024年度の花火大会費用は約6,000万円。
市はそのうち、警備費(約2,280万円)とごみ処理費(約60万円)を負担。
残る約3,500万円以上は民間の協賛金やクラウドファンディング等でまかなわれています。
今年は悪天候により中止となり、企業協賛や寄付の継続が危ぶまれる状況です。
■ 提案と市の見解
【提案】仮設トイレの費用など、来場者対応インフラへの市の関与拡大を提案。
【市の答弁】現時点でトイレ費用の負担は考えていないが、費用増加への対応は今後検討していく。
花火大会は市民にとって大切な行事であり、持続可能な開催のために、市のさらなる支援が必要だと考えています。
🚶♀️ 観光の分散化によるオーバーツーリズム対策
■ 時間と場所の分散の必要性
観光の集中を避けるには、夜間イベントの活用や観光地の地域的な分散が重要。
鎌倉には「日本遺産」としての貴重な文化資源があり、定番スポット以外にも魅力ある場所が多く存在します。
<補足>鎌倉の日本遺産とは、鶴岡八幡宮や鎌倉大仏など鎌倉時代のみではなく、
明治時代に政界人や財界人などが訪れた旧前田家鎌倉別邸などの別荘地鎌倉や、
「鎌倉文士」と呼ばれる作家たちの芸術文化、鎌倉彫など生業や行事など様々な要素がまるでモザイク画のように組み合わされた、歴史と文化が描くモザイク画のまちを表す
■ 日本遺産の活用に向けた取り組み
【市の取り組み】
駅構内や案内所での情報提供
SNSや公式サイトでの発信(多言語対応)
日本遺産ロゴ商品の開発
【追加提案】
写真・動画の活用、日帰りツアーなどの工夫を提案。
鎌倉歴史文化交流館のPR強化も提案。
【市の答弁】
コンテンツ制作やガイドツアーを予定。
多言語化やSNS活用、時期に応じた展示を進めていく。
例えば「鎌倉歴史文化交流館」は駅から徒歩10分とアクセスも良く、日本遺産の魅力が凝縮された場所です。こうした穴場スポットの魅力をもっと発信することが、観光の分散化につながると考えます。
🚻 鎌倉高校前駅周辺の観光マナー問題への対応
■ 現状の課題
江ノ電沿線の人気スポット「鎌倉高校前駅」周辺では、観光客の増加により、トイレのマナー違反や住民敷地への無断立ち入りといった深刻な問題が発生。
住民は、過度な観光地化を望んでおらず、環境に配慮した対応が必要です。
■ 提案と市の見解
【提案】災害時にも活用可能な「自己処理型水洗仮設トイレ」の導入を提案。広告掲載により維持費用の一部をまかなうことも可能。
【市の答弁】現状を注視しつつ、設置費用や場所の課題を踏まえて今後検討。
このトイレは設置・撤去が簡易で、柔軟な対応が可能です。市民の安心と観光客の利便性を両立させるために、早期の導入を期待しています。
✨ まとめ
オーバーツーリズムへの対応は、「観光の活性化」と「市民の暮らしの安心」をどう両立させるかという大きな課題です。
鎌倉が持つ文化的価値を大切にしながら、持続可能な観光の形を模索していくことが必要です。
今後も市民の声を反映しながら、具体的な政策提案を続けてまいります。





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